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B&W 607S3 展示いたしました


marantz M-CR612 + B&W 607S3

現在、当店にご来店いただけるとすぐ正面に、marantzのネットワークCDレシーバー、M-CR612を展示して音出しをしているのですが、それに組み合わせるスピーカーをamphion Argon 0からB&Wの607S3(税込定価132,000円)にチェンジしました。
amphion Argon 0も悪くはないのですが、上品な音というか、ややパンチに欠ける感じがあってB&W 607S3に変更いたしました。

607S3は現在のB&Wの音色的特徴を受け継いだ正統派小型スピーカーです。
エンクロージャーサイズも1.2倍くらいになっていますし、ウーハーユニットのサイズも130mmと10mm大きくなっています。このウーハーのコーンは近年のB&Wでよく使われるコンティニュアムコーンです。そしてツイーターはチタンドームで、消音構造のチューブローディングシステムとなっています。トップエンドの800シリーズから受け継いだテクノロジーを600シリーズにうまく落とし込んで、コストパフォーマンスに優れたスピーカーに仕上がっています。低域の厚みも十分にありつつ、キレのある高域も楽しめます。このクラスのスピーカーですとローコストのアンプでも鳴らせるように、気難しいところもなく素直に鳴ってくれる感じがありますね。
サイズを考えると、決して割安なスピーカーという訳ではないですが、税込定価99,000円のM-CR612につないでも、低域の量感は結構感じますし、「骨格のしっかりした音」という印象でした。予想以上にバランスよく鳴っているのでうれしい驚きでした。

marantz M-CR612 + Sonus faber LUMINA Ⅰ

この価格帯のスピーカーというと、他にSonus faberのLUMINAⅠがありますので、こちらも接続して鳴らしてみました。Sonus faberの高域ユニットは基本的にソフトドームですので、高域の切れ味はそれほど感じなかったですけど、その上品な音楽表現は特にクラシックファンの方にはベストマッチングのような気がします。
LUMINAⅠは音のカドがうまく削れていて、刺激的なところがあまりありません。特にクラシックの弦の再生や、女性ボーカルは絶品と言っていいほど魅力的です。この価格帯でこうした音色のスピーカーはほとんどなく、貴重な存在であります。
LUMINAⅠは、発売当初は1ペア税別10万円くらいで販売していた時もありましたが、昨今の物価高の影響で税込148,500円になってしまいまして、以前ほど手を出しにくくなってしまったのは残念です。

次の段階として、B&W 607S3と Sonus faber LUMINAⅠのポテンシャルをフルに引き出そうと考えて、アンプにmarantz MODEL 30 (税込定価327,800円)、SACDプレーヤーにSACD 30n (税込定価327,800円)を接続して鳴らしてみました。

さすがに単品コンポのCDプレーヤーとプリメインアンプの中級機だけあって、中低域の厚みやステージの空気感や音場感等はグッと引き込まれるものがあります。それぞれのスピーカーを能動的に駆動するドライブ能力がアップしたと感じることができました。「音楽を楽しむ」という観点からすると、小型スピーカーとは言え、このレベルの製品をチョイスすることによって音楽が持っているポテンシャルを十分に引き出してくれていると実感できました。
部屋の大きさや、かけられるコストの兼ね合いから、小型ブックシェルフスピーカーしか置けない状況の方でも、アンプにスピーカー1セット分くらいの金額をかければかなりいい感じで音楽が楽しめると思います。

スピーカーのドライブ能力という意味ではこのクラスのアンプを選べば十分という感じですが、607S3とLUMINAⅠでは音色がかなり違いますので、お聴きになる音楽ジャンルと、ご自身の好みの音の方向性にどちらが近いかを考えてチョイスされれば良いかと思います。
この音色の違いが、システムトータルの音楽表現の違いとなって現れてきて、ここにシステム構築者の音楽や音色の好みが反映されていくわけですね。この「好み」というワードがオーディオの世界では重要で、これによって「音は人なり」という言葉も実感を持って理解されるのだと思います。