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WILSON AUDIO Pedestal Isolation


先日、ステラの橋隅社長が「面白いものを持ってきたよ」と突然来店されました。何を持ってきたのかと思ったら、最近発売になったウィルソン・オーディオのペデスタル・アイソレーションというインシュレーターでした。見たところ普通のゴム系素材のインシュレーターですが、3個1組で48万円(1個16万円!)という恐ろしく高価な製品で、まずその価格にびっくりでした。

カタログ等によれば、この製品はTune Totという小型のブックシェルフスピーカーのオプションで、スピーカーの下に敷くアイソレーションベースを開発する過程で、この技術がスピーカー以外のオーディオ機器のインシュレーターに応用できそうだということで、更に開発を進めて完成した製品のようです。


ペデスタル・アイソレーションはアンプやCDプレーヤーといった機器のシャーシの底板に直接接触させるインシュレーターで、内部は何層かのハイブリッド構造になっています。
機器の接地面に触れるこのインシュレーターの上面は小さなダンピング素材で、ここで機器からの振動を一部吸収します。そして振動は次に非磁性ステンレスハウジングに伝わります。ここで素材の質量と剛性によって有害な振動エネルギーを熱に変換します。さらに内部のV-マテリアルという素材が振動を最小化し吸収、熱として消散させるという仕組みとなっています。これらの仕組みによって、手で触ってもわからない微細でミクロな振動を効果的に吸収・消滅させるというかなりデリケートな作業を行っているようです。またこの製品は床やオーディオラックから伝わる低周波・高振幅の振動についてもV-マテリアルとダンピング素材の組み合わせによるスプリング効果で低減されるとのことです。

さてそのパフォーマンスは驚きでありました。まず音の輪郭がはっきりするのと、それぞれの楽器本来のの音色が色濃く出てくるようになりました。そして再生空間の空気が澄んでいるのが分かります。都会の空気から高原の清々しい空気に変わったような変化がありました。これは高いだけのことはあるなあと思わせてしまう説得力がありました。細かな振動を丁寧に取り除くことによって見えてくる世界がこんなに素晴らしいものだったということを実感しました。こうしたハイエンドメーカーの製品開発はアクセサリーに対しても徹底しているなあと感心してしまいました。

少し長く借りることができましたので、自宅でも試してみました。プリアンプ、CDトランスポート、アナログプレーヤーの下に使ってみましたが、どこに使っても同じような変化で、システム全体のクオリティが一気に上がって一皮むけた音になりました。正直これはすごいと思いました。しかし高くて買えません…(涙)。でも機器のグレートアップをすることを考えれば50万円の投資としてはこれを導入するという選択があっても悪くはないなあと思いました。最近のオーディオのアクセサリーもかなり高額なものも増えているものも、インシュレーターでここまで変わるというのは想像できませんでした。いやはやオーディオは本当にきりがない世界だと改めて実感した今回の試聴でした。