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Monitor Audio Silver 300-7G 試聴記


ここ何日かMonitor Audioの新製品、Silver 300-7Gのデモ機を聴かせてもらっています。

モニターオーディオはイギリス東海岸のエセックス州レイリーに本拠地を置くスピーカーメーカーです。1972年の創業で、スピーカーユニットはもちろんのこと、ネットワークやキャビネットまですべて自社で生産している規模の大きい会社です。

イギリスのスピーカーメーカーといいますとTANNOY、Rogers、Harbethあたりを思い浮かべますが、こうしたメーカーはそれぞれの長い伝統を受け継いだ、いい意味で古典的な味わい深いサウンドを持っています。それに比べてMonitor AudioやB&Wは常に新しいサウンドを求めて、変化を恐れないところがあります。B&Wは今や世界のハイエンドオーディオスピーカーの中心的存在で、つい最近も800シリーズが新しいD4シリーズに進化したばかりです。
同じくMonitor Audioも、最上位モデルのPlatinum SeriesⅡをはじめとしてハイエンドからお手頃スピーカーまで、幅広いラインナップを誇ります。また新技術にも貪欲で、Gold/Bronzeシリーズはそれぞれ第5世代、第6世代へとブラッシュアップしています。今回はSilverシリーズがいち早く第7世代に進化したとのことで、早速デモ機をお借りしてテストしてみました。

前作の6Gは展示がないこともあって、1度デモ機を聴いた印象しかないのですが、その時もこれといった不満点はなく、出来が良かった印象がありました。今回のSilver 300-7Gはその時の印象よりもヌケが良く、更に切れ味が増したような感じがありました。今回ツイーターのマグネットはプレート型のネオジムからリング型のネオジムに変更になっており、またツイーターのウェーブガイドもUDウェーブガイドⅡにリニューアルして、放射特性の広域化が図られているようです。

中音域のミッドドライバーも76㎜と前作の100㎜から小型化するのと、マグネットをフェライトからネオジムにアップグレードしています。ウーハーとのクロスオーバーも570Hzから750Hzへと上がっており、逆にツイーターとのクロスオーバーは3,500Hzから2,800Hzへ下がっています。相対的に中域の負担が減って、ウーハーやツイーターとのつながりが良くなっている感じがします。このあたりの変更がヌケの良さにつながっているものと思われます。Silverシリーズで行われた第7世代への進化は今後GoldやBronzeシリーズでも展開していくと思いますが、こうした現状の機種をベースに改良を加えるという手法は進化の方向にブレが出ず、賢く手堅い方法だと思います。
様々なジャンルの音楽を聴きましたが、やはり現代のスピーカーらしく解像度や音場感は価格を超えた魅力があるように思いました。特にピアノの音はジャズやクラシックを問わず、いい感じで鳴っていたように思いました。価格は違いますがSonus faberのLUMINAⅢに通じたお買い得感が感じられました。LUMINAⅢはツイーターがソフトドームということもあって、しなやかで落ち着いた高域が魅力的ですが、Silver 300-7Gはキレの良さと明るいサウンドが魅力です。この辺りはお聴きになる音楽ジャンルとリスナーの好みによって選択は変わってくると思います。しかしそれぞれのスピーカーの価格とポテンシャルを考え合わせれば、なかなかいい勝負だと思った今回の試聴でした。