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marantz PM-12 OSE / SA-12 OSE 試聴記


マランツよりPM-12 / SA-12 のアップグレードモデルであるPM-12 OSE / SA-12 OSEが発売になっています。当店でもレギュラー展示をしており、本来であれば4月11日に試聴会イベントを企画していたのですが、新型コロナウィルス感染対策で中止となってしまい、オリジナル機とOSEモデルとの比較を検証する機会が失われてしまいました。それにしても新型コロナウィルスの感染力は驚異的で、世界的なパンデミック状態の中で終息が見えない閉塞感が重くのしかかっています。この状況下ではこうしたイベントも自粛せざるを得ず全く困ったものです.


そんな中でとりあえずこのOSEモデルの印象を述べてみたいと思います。

PM-12 / SA-12の発売は2018年7月で、2年もたたないうちに後継モデルが出るというのはちょっと早いなという印象はあるかと思います。
元々12シリーズはその上位モデルのPM-10 / SA-10 の弟モデルとして10シリーズのハーフプライスの30万円をターゲットに企画されたものです。そうしたコストの制約の中で非常に完成度の高い製品に仕上がったと個人的には評価していましたが、マランツ技術陣の中ではこの12シリーズのプラットフォームの中でのクオリティアップモデルの可能性を初期の段階から探っていたようです。

こうしたアップグレードモデルはマランツでは良く使う方法で、直近では2013年に発売したPM-14S1 / SA-14S1(¥252,000) に対して、そのアップグレードモデルがPM-14S1SE / SA-14S1SE (2016年、¥290,000) というものがありました。このモデルは当時のカリスマサウンドマネージャー澤田龍一氏が手掛けたSpecial Editionです。主な変更点はトップパネルとインシュレーター(脚)、アンプのブロックコンデンサー容量アップ、CDメカの振動対策などです。澤田マジックによるチューニングでそれぞれ100台限定モデルでした。

今回のOSE(Original Special Edition)モデルはオリジナルの音色はそのままにクオリティアップを図ったという意味でOSEとなったとのことです。
今回は音色の変化を嫌ってコンデンサーはそのままにして、抵抗をグレードの高い金属皮膜抵抗に変更(PM17箇所、SA35箇所)して、トップパネルは5㎜厚のアルミ素材、アルミ無垢材から削り出しのインシュレーター、そして銅メッキシャーシを奢るという贅沢なチューニングとなりました。これだけの変更で5万円アップはなるほど安いかも知れません。しかも今回は台数限定品ではなくレギュラーモデルですのでここ何年かは生産されるものと思われます。

さてその音質ですが、なかなか上出来な感じです。オリジナルのPM-12 / SA-12 をベースに音場の3次元的広がりや空気感のようなものがより顕著に感じます。それとS/N感が良くなったせいか雑味感が少なく、音楽がきれいに浮かび上がります。スピーカーはMONITOR AUDIOのPL-200Ⅱを使いましたが、低域のコントロールも35万円のプリメインアンプとしてはうまくできていて、アンプの駆動力の高さを感じました。
この12 OSEのペアとセット7~80万円くらいのスピーカーの組み合わせあたりでは、家庭で鳴らせる音量であればそう不満もなく音楽が楽しめるセットが組めそうです。直接比較試聴はしていませんが、オリジナルの12シリーズよりも音楽性はかなり上がっているように思えます。

新型コロナウィルスにより厳しい自粛生活が続きますが、こんな時にこそ割り切って、音楽をゆっくり聴く時間を作ってストレスの解消を図るというのも必要なことであろうかと思います。今はこの国難というべき状況に耐えて生き延びることが大切です。その手段の一つとして当店は「音楽のチカラ」を信じたいと思います。