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CHORD COMPANY Ground ARAY  試聴記


最近オーディオ雑誌で話題になっている、イギリスの老舗ケーブルメーカーでコードカンパニーのグラウンドアレイを試聴しました。

「ノイズポンププラグ」という名称を与えられている製品ですが、オーディオ機器の空き端子に装着して、現代の生活には必要なパソコン・スマホをはじめとして、Wi-FiやBluetooth,、LED照明器具などの家庭内の電子機器から発生する高周波ノイズを効果的に取り除くという製品です。この製品のベースは2012年にコードカンパニーが開発したチューンドアレイという技術を搭載したケーブルが基になっており、これをノイズ対策専用製品として2017年に開発がスタートして、2年以上の研究開発を経て製品化されました。この開発で問題にしたのは、プラグの接点に信号のごく一部がもとの来た方向へ反射して、本来の音楽信号に変異を与えるノイズになってしまうという「信号反射」という現象です。
その対策として、アレイ線という追加の導体に反射した信号を導いて、熱に変換して消散させます。内部には電気的にパッシブ(受け身)な5つの素子がグラウンドのみに作用する形で組み込まれており、各々異なる帯域を受け持って効率的にノイズを吸収するとのことです。

同じような形状の製品としては、以前ご紹介したアコースティック・リバイブのリアリティエンハンサーがありますが、音質向上の方向性が違います。リアリティエンハンサーの場合は2017航空グレードアルミ合金製のボディと、内部配線には伝導率105%の新素材P C-TripleC/EXを使用することによって、機材の配線の一部がP C-TripleC/EX化することによって飛躍的な音質向上が図れるというもので、確かに音質的アドバンテージはありますが、グランドアレイのようなノイズ対策製品とは考え方が違います。

実際に聴き比べて見ると、リアリティエンハンサーは音の解像度が高くなって、それこそリアリティあふれる見通しのいい音になります。一方グラウンドアレイはノイズポンプという名称通りノイズ感の無い自然な音という感じがします。別な表現をすれば、リアリティエンハンサーにはオーディオ的アドバンテージを感じ、グラウンドアレイには音楽的に深い表現になるという感じです。この違いはそれぞれのリスナーがどの方向を目指していくかによって選択が変わると思います。どちらがいい悪いという問題とは違う感じがします。
価格的にはリアリティエンハンサーが1個38,000円(RCA用)、XLR用が48,000円でアナログ端子用にはL/R2個使いが基本です。一方グラウンドアレイはRCA/XLRやUSB/HDMI/LANなど計7種類ですべて1個88,000円です。こちらはRCAやXLRといったアナログ信号の場合はL/Rどちらかの端子に1個使うのが基本のようです。

当店ではリアリティエンハンサーはRCA/XLRの入力用と出力用のデモ用を2個ずつ用意しておりますので、静岡県内の方はご自宅でのご試聴も可能です。なお、グラウンドアレイは輸入元のアンダンテラルゴ㈱よりデモ用モデルの貸し出しができますので、こちらのご自宅試聴も可能ですが、事前に当店にご予約をお願いいたします。

なお、グラウンドアレイの姉妹モデルで電源用のノイズポンプ パワーアレイも発売になりました。価格は1個120,000円とちょっとというかかなりお高めです。こちらはまだ試聴ができていませんので、でき次第アップしたいと思います。

なおこちらも同じような製品がフルテックから発売されています。NCF Clear Lineで1個22,800円とこちらはリーズナブルな価格です。こちらは以前公開しましたように、自宅に持ち込んで試聴したところ、見事にハマってしまって3個も導入してしまったという製品です。これとパワーアレイの比較は大いに興味がありますが、ここでまたハマってしまうとエライことになりますので自宅試聴はせずに店頭での比較をしたいと思っています。
ただ価格差が相当ありますので、5個対1個の変則バトルでの比較かなと思っています。