グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム >  ブログ >  ESOTERIC F-07

ESOTERIC F-07


ESOTERICから新型プリメインアンプ、F-07が発売になりました。
デモ機を借りることができましたので、早速聴き比べてみました。
F-07は先に発売しましたFシリーズプリメインアンプの末弟で、価格は税別¥550,000とローエンドモデルと言いながら、かなりの高級品ですね。
上級モデルのF-03A/F-05と同じ設計思想で、フルバランス・プリアンプ、デュアルモノラル構成、3Dオプティマイズド・シャーシ構造といったところは共通で、シャーシはディスプレイパネル部分を除いて3機種同一筐体です。ボンネットのアルミパネルの厚みやフロントパネルのESOTERICの刻印などはこのクラス一番のゴージャス感です。
主な違いはフロントのディスプレイパネルと電源トランスの容量、パワートランジスターの種類と構成です。
 そのサウンドは、方向性としては上級機と同じで、「ハイスピード」「高解像度」といった印象は共通のイメージです。ESOTERICはCDプレーヤーの音でも「柔」よりも「剛」、「女性的」よりも「男性的」という印象ですが、Fシリーズでもこの傾向はありますね。ただF-07は上級モデルに比べると低音の押し出しが少し弱い感じがありますが、これは電源部の充実度の違いによるものなので、致し方ない部分でしょう。

 今回の試聴で印象深いディスクは Count Basie Orchestra の Basie is Back でした。このディスクは2005年10月に来日した際に仙台でのライブレコーディングで、ベイシー楽団のノリの良さが存分に味わえます。カウントベイシーと言えば一関のジャズ喫茶「ベイシー」の菅原正二さんが真っ先に思い浮かびますが、このディスクもCo-Producerとしてかかわっています。F-07はこうしたJAZZのスピード感やグルーブ感を上手く引き出していたように思います。
 同価格帯として比較試聴したのがLUXMAN L-590AXⅡ(税別\580,000)です。アンプのクオリティとしては価格が近いこともあって同列と言っていいでしょう。しかしその表現力は全く違いました。まさに「柔」よりも「剛」、「女性的」よりも「男性的」の典型と言えるでしょう。L-590AXⅡは純A級プリメインアンプということで、さらにしなやかな印象が強くなります。
 この個性の違いこそがオーディオの魅力であり奥深さであります。さらに組み合わせるスピーカーやセッティング、ケーブル類や電源廻りによって微妙な色合い・肌触りが変わってきます。そして最終的にはリスナーとの相性の問題になります。しかし何も難しく考える必要はありません。自分の心の声に従えばいいのです。このあたりは食の世界やお酒の世界と同じです。自分の感覚を信じましょう。    (記 遍照)