グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム >  ブログ >  Accuphase DP-750 試聴記

Accuphase DP-750 試聴記


アキュフェーズフェアも終わり、10機種以上も借りていた非日常空間から、現実の世界に戻ってきました。
今回のハイライトはDP-750 → C-3850 → A-250 → B&W 803D3 という当店のゴールデンラインです。C-3850と803D3は当店の常設展示ですので、DP-750とA-250の違いということになりますが、いやはや素晴らしい世界でした。

何といっても音が濃いですね。そして低域の量感と力強さです。それでいてサウンドステージの広がりと各楽器の位置やヴォーカリストの口元が見えるかのような定位感は、まさにハイエンドオーディオの醍醐味といっていいくらいの上質な音楽再生にどっぷりと浸かりました。正に「バーチャルリアリティの極致」といったところでした。

DP-750はお客様のお宅で前モデルのDP-720との比較試聴をしました。DP-750に替えて再生した瞬間、空気が変わりました。見通しの良い清々しい空気感が漂ってきました。お客様が「上質な音になった」とおっしゃっていましたが、その通りだと思いました。細かい音の要素がどうこうというより、音楽再生のクオリティが一段上がったという感じでしょうか。
内容的にはDACチップがES9018からES9028PROに変わったのが一番の変更点ですが、粘性バンパーの変更によるディスク回転音の低減や回路の適正化によりSN比が1dB上がりました。たかが1dBですが、これが再生音に効いてくることはプリメインアンプE-650で実証済みです。こうした地道なブラッシュアップが製品の進化に確実に反映しているところはさすがというしかありません。

アキュフェーズ製品全般に言えることですが、製品のモデルチェンジは前作をベースにしてそれに技術的改良を加えるという「正常進化型」モデルチェンジです。つまり前作と比べて音色的方向性が大きく変わることがありません。これは歴代アキュフェーズ製品を使っているユーザーにとっては大きな安心材料です。製品を買い替えたら、音の性格が変わってしまったということがないのです。故障が少なく丈夫であるということと合わせて、このことがアキュフェーズを歴代使い続ける方が多い一番の要因だろうと思います。このぶれない一貫した製品開発の姿勢は賞賛に値します。

日本国内ではオーディオを趣味としている方が減少して、音楽鑑賞に喜びを感じる経験も少なくなっているのではと思いますが、音楽は人生に彩りを与え、オーディオはその音楽の世界をより色濃く表現してくれるツールなのです。リスナーそれぞれの環境の中で、それほどお金をかけなくても創意工夫によっていくらでも楽しめる趣味だと思いますので、少しでもこの世界に目を向けて、その扉を開けていただければと思います。
Let’s Listen !