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ELAC AVANTEシリーズ 試聴しました


先日、ELACの輸入代理店のYUKIMUさんが新シリーズのAVANTEシリーズを持ってきていただきましたので、試聴させていただきました。

2015年よりELACにはカリスマスピーカーエンジニアのアンドリュー・ジョーンズが参画しています。KEFやTAD等でその才能をいかんなく発揮してきた彼が次に選んだのがELACでした。ELACでアンドリュー・ジョーンズが目指したものは、彼の代名詞となった同軸型スピーカーユニットを使って、ハイエンドではなくエントリークラスへの挑戦でした。Debut LINE 、Uni-Fi SLIM LINE で成功を収めたその次の目標はミドルハイレンジでの製品開発でした。

そうして誕生したAVANTEシリーズは独創的かつ斬新なスピーカーとなりました。
持ち込んでいただいたスピーカーがブックシェルフ型のAS-61(¥480,000/1p)でしたのでこちらでご紹介いたしますが、まず見た目は2ウェイスピーカーに見えますが、中高域ユニットは当然コアキシャルユニットとなっております。その下の20.5cm(8インチ)径のウーハーユニットはパッシブラジエーター(ELACではパッシブドライバーと呼んでおります)で、マグネットがありません。
駆動用のウーハーユニットはエンクロージャー内部で2つのバスレフポートを持つリアボックスにに収められた16.5cm(6.5インチ)のアクティブドライバーが受け持ちます。内部構造は写真を参照していただきたいのですが、緻密な計算に基づいた非常に複雑な構造です。しかし低域再生にはかなりのメリットがあるようです。外観上でもバスレフダクトが露出していないのでポートの風切り音が発生しません。またフロントバッフルには6mm厚のアルミを採用して鳴きを抑えています。背面のスピーカーターミナルはFURUTECH製のカーボン仕上げタイプで、金メッキプレーティングのジャンパーバーが付属しています。

シングルウーハーのAS-61でも2個のユニットを使用しますが、トールボーイタイプのAF-61(¥960,000/1p)になるとウーハーが3つで駆動しますので、低域だけで6ユニットを使うという贅沢というか規模の大きいシステムとなります。サイズも高さ1330mm、重量45.8kgと存在感があります。また分厚いボトムプレートとがっちりしたスパイク及びスパイクプレートが付属します。

さて肝心の音ですが、低域はなかなかいいですね。重くならない低域というか、軽いと言うと語弊がありますが「風」のような低域でした。今まであまり聴いたことのない低音でしたね。強いて言えばVIVID AudioのGIYAシリーズの低域のように感じました。通常のバスレフの低域とはかなり違いました。かといって密閉型ほど締まりすぎず、ゆったりおおらかに鳴ります。ただ、その低域に引っ張られるのか、高域はちょっとおとなしめかなという感じでした。
最近はB&WやTADのように繊細でキレのある高域がハイエンドの世界では主流ですが、それとはベクトルが違うようです。YUKIMUの立原氏がおっしゃるには、この価格(1ペア100万円)でハードドームツイーターを使うにはコスト的に難しいとのことでした。またアンドリュー・ジョーンズはELACアメリカに所属しており、北米でのシェア拡大が任務とのことです。確かにサイズも大きいし音色もマッキントッシュのようなおおらかで大陸的な鳴り方のような気がします。ある程度広い部屋で音量も大きめでドライブすると気持ち良くなるような気がしました。
今回の試聴では用意できなかったトールボーイタイプのAF-61を、広い空間で鳴らしてみたいなと思った今回の試聴でした。             (記 遍照)