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AccuphaseとLUXMAN プリメインアンプ新製品対決


LUXMAN L-507Z と Accuhase E-5000

今年のプリメインアンプ市場は、この冬にアキュフェーズがE-4000を発売して、ほぼ1年前に発売になったラックスマンのL-507Zとの比較が話題になっています。何しろ両機種とも価格が税込693,000円と同価格で、老舗アンプメーカー同士のガチンコ対決となっており、一気に注目を浴びてきました。

当店も両機種の展示品が揃いましたので、両機種の比較をしてみました。

試聴ソフトはCDとSACDで、
➀ Accuphase Sound Selection 6より「ラ・カンパネラ」 (SACD)
② Best Audiofile Voices Selectionより「Fly Away」 (CD)
③ Brian Bromberg 「WOOD」より「The Saga of Harrison Crabfeathers」(CD)
CDプレーヤーはESOTERIC K-03XD、スピーカーはTAD TAD-E2にて行いました。

まず入出力端子の数ですと、アキュフェーズのほうが豊富にあります。但しアキュフェーズは伝統的にアナログプレーヤーの入力に関しては、アナログディスク入力ボードをオプションスロットにビルトインする必要があって、その分価格もプラスになります。逆にアナログレコードを聴かない方にはその分お得になっているということもできます。
ラックスマンはフォノ入力も装備してあり、MM/MCカートリッジの切り替えもあります。入力系統の数ではラックスは少なめですが、最近は多くの機器を接続して楽しまれている方もそれほど多くはいらっしゃらないと思いますので、まあ問題はないのかなと思います。

さて肝心の音質・音色ですが、かなり似かよった部分がありました。
価格が同じということもあって、クオリティ的には互角といっていいと思います。
音色的にも非常に近いものがある感じがしました。

ラックスマンは、2000年以来、時代に合わせて進化させてきた出力と入力の差分により検出された歪成分だけをフィードバックする高性能な増幅回路「ODNF」を、その時代時代で必要なアップデートを繰り返しながら搭載してきましたが、このODNFに替わる新増幅帰還回路「LIFES」をパワーアンプのM-10Xに初搭載しました。プリメインアンプには今回のL-507Xが初搭載となります。この「LIFES」の影響もあってか、L-507Xは一皮むけたクオリティとサウンドが感じられました。具体的には、中低域の力強さが増したことと、解像度が上がって音のヌケも良くなった印象がありました。ラックスマン技術陣の話によると、この「LIFES」の回路により「ODNF」よりもSN比と歪率の向上が図られているということです。
この変化の度合いと方向性は素晴らしいと感じさせるものでした。
この表現が正しいかどうかはわかりませんが、誤解を恐れずに申し上げればアキュフェーズの音に近くなった印象がありました。

一方、アキュフェーズ E-4000は正常進化型のクオリティアップでした。具体的にはS/N感の良さと解像度の高さで、進化の方向性では全くブレを感じさせませんでした。音場感としてはかなり締まったタイトな印象で空間表現が緻密で素晴らしかったです。

アキュフェーズの場合はカテゴリー(今回はプリメインアンプ)の上位モデルで開発した回路や技術を、その下のモデルにコストに見合う形で、うまく取り込んでクオリティアップを図るという手法が確立されており、それが安定したクオリティを生み出している要因となっています。
先程も申し上げましたが、この2機種はクオリティ的には同等と考えていいと思います。
但しそれぞれの前作からの変化という意味ではL-507Xのほうが変化量が大きいと感じられました。特に低域の力強さは今までのラックスマンサウンドとは一味違う印象を受けました。
どちらを選ぶかは使用スピーカーとの相性と、リスナーの音色的好みでご判断されることになるのだろうと思います。どちらを選ばれても満足度は非常に高いアンプであることは間違いないと思います。
ご興味のある方はお好きな音源をお持ちいただき、聴き比べをしてみて下さい。
ご試聴は大歓迎です。お待ちいたしております。